それぞれの思いとすれ違い

こんにちは。ゲームダイアログファシリテーターの、あっこちゃんです。

この話は以前、実際に私の家族で起こった出来事です。
こちらでシェアしますね。


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はじめに

ある日の夕方、母から電話が掛かってきました。
「 さっきお父さんが倒れて、救急車で運ばれた。今夜が峠だって… 」
仕事先で聞いた父の容態。
私は東京。両親は広島。

すぐに帰省しようと列車の時刻を調べるものの、新幹線も飛行機も
最終には間に合わず、今日中に帰ることができない…

電話越しで慌てる母に何も為す術もない私は、両親と同じ広島に
住んでいる姉に連絡をして、父と母の様子を聞きました。

結果、父の容態は良くなり、その後
何事もなかったように退院しました。

そして、何ヶ月か経ち、私が帰省した時の
家での出来事。

父に 「 急に入院して大変だったね。その後、身体はどんな? 」
と訊いたところ、思わぬ言葉が父から出てきした。

「 身体は大丈夫じゃけど、あいつ(姉)は信用ならん!」

私は思わず「 えっ?どうしたの?何があったの? 」と、父に訊きました。

話を聞いてみると、父親が救急車で運ばれた後、気が付いたらベッドに拘束具をつけられていたそうです。

すれ違った瞬間

意識を取り戻した父は、ベッドの傍に姉がいることに気づきました。
父は姉に声を掛けようとするものの、声が出ない・・・。

すると姉は拘束具をつけた父をそのままにし、母親と帰ったそうです。

「 あいつ(姉)は、わしをベッドに縛り付けて帰ったんじゃ! 」

どうやら、そのことが父の心の中にくすぶっていたようです。


私は父に「 お姉ちゃんに、その時のことを言ったの? 」と訊いてみると、父は「 そんなことは言わん!」と。

私「 えー!?ダメじゃん!そこ重要なことじゃん!! 」

ちょうどその時、母と一緒に帰宅した姉。
私は父に「 いいね!お姉ちゃんに伝えるよ!! 」と言いながら、姉に一部始終を伝えました。

すると姉は「 えっ!?お父さん、意識あったの?お父さん、あのとき無意識でも暴れるから、看護師さんと相談した結果、仕方が無く拘束具を付けたんよ。そして看護師さんから
『 心配せず、帰宅してください。』と言われ、お母さんと帰ったんだけど… 」と、その時の状況を父に伝えました。

姉の言葉を聞いた父は「 わし・・暴れたんか。それは覚えとらん・・ 」

さっきまでの興奮はどこへやら。
父は急に大人しくなりました。

姉も父に「 覚えていないとはいえ、拘束具を付けてごめんね。」と、謝罪をしました。
 

それぞれの思い込み

そうなんです。
父は「 拘束具を付けて、あいつらはわしを見捨てて帰った。」という想いが、ずっと心に残っており、結果、姉に対し疑心暗鬼に。

一方、姉は父親は「 覚えていないだろう 」という思い込みで、そのままに。

お互いに確認することもなく、それぞれ自分の想いが『 真実 』だと思い込んだ結果、すれ違った…という出来事でした。

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終わりに

こうした少しのすれ違いの溝が、ちりも積もって大きくなり、後で取り返しのつかないことになる・・・という出来事が過去に何度もあったことを、本人たちは既に忘れている様子。

一つ一つ紐解いてゆくと、そこにあるのは笑顔かもしれませんね。