どうせ言っても分かってもらえない

これは実際に私が40代の頃、夫に対して抱いていた感情です。

夫は銀行員で、年を追うごとに段々地位が上がり、私は「 夫の仕事の迷惑になってはいけない 」という思い込みにがんじがらめになっていました。

転勤する度の転居。
若いうちはそれも楽しかった。
でも一旦心が弱ってしまうと、転居先で新しく関係を構築することができなくなって、次第に引きこもるようになっていきました。

何が原因だったかというと、夫ではなく。
子供の頃からの考え方を変えられなかったからでした。



親から、お姉ちゃんらしく、子供らしく、女らしく・・・
こう言われて育った私は、それに反発し、わりと早くに結婚し家を出ました。

自由にさせてくれる旦那さんと思っていたのに、いつの間にか親の教えの通りに
ちゃんとしなくちゃ。言動には気をつけなくちゃ、で縛られる毎日。

夫は仕事が忙しく、私の話を聞いてはくれない。
それでも精いっぱいの笑顔でいたのに、「 つまらなそうな顔して 」と言われる始末。

あの頃、二人だけの生活の中、他に打ち明ける人もなく一人で我慢していた。
とうとう耳鳴りにも悩まされ、医者にも精神的なものだから一生治らないと言われ、奈落の底に落ちたような思いもしました。



色んな人のおかげで私も最悪の時期をなんとか乗り越え、今は楽しく生きていますが、
もしあの時、家族のことを相談できるシンパシーセッションの機会があったなら、もっと早くに脱出できていたかもしれないなぁと思います。

女性が家で暗い顔をしていると、そのご家庭は火が消えたようになります。
女性が笑顔で輝けるように、家族が共に明るく進んでいけるお手伝いができることを本当に嬉しく楽しみに思っています。

ゲームダイアログファシリテーター  加川喜美子